[6]韓国トラベル -前編- [2014/5/30(金)] |
韓国のルーレットは、アメリカンタイプが使われている。
2つの違いは、「00」があることと、アメリカンタイプは161ヵ所、ヨーロピアンタイプは157ヵ所、賭けれる数に若干差がある。
テーブルに近づくと、ルーレットの履歴を表示する電光掲示板があるのに気づいた。
スコアボードと呼ばれるものだ。
ここに過去15回のルーレットの履歴が表示される。
さらに、過去の統計比率も最下部に表示されている。
その時見た累積は、赤が49%、黒が51%だった。
今まで何万投じているのかはわからないが、理論値通りにほぼ1対1の割合で出現しているようだ。
その時は、「なるほど。まあ、当たり前か」と特に深く考えなかったが、後々この掲示板によって俺は絶望の淵へ落とされることとなる。
20分ほど待っていると、席が一つ空いた。
すぐに座る。
スロットでいうところの6を取った気分だ。
いよいよ始まる。
勝ち確定の勝負が。
賭けというより、もはや投資だ。
軍資金は約14万。
戦術は必勝のマーチンゲール法。
しかもカジノは24時間営業だ。
博打目的は俺と先輩だけなので、朝方タクシーで一緒に帰ればいい。
俺は財布から日本紙幣で3万円を取り出し、ディーラーの男に渡した。
手持ちのウォンを何十枚も出すのが面倒くさかったからだ。
するといきなり、
「パスポート」
と片言で言われる。
俺は、「パスポート見せて入場しているのにここでも見せるのかよ…」と思いながら渋々出した。
パスポートの確認が終わると、今度は俺にボソボソと何かを問いかけ始めた。
よくわからないので適当にうなづいていると、大量のチップが目の前に出現。
どうやら交換に成功したようだ。
1,000ウォン、5,000ウォン、10,000ウォンと、3種類のチップが山のように手元にある状態になった。
1,000ウォン(150円)がミニマムベットらしい。
基本的に0が一つ余分に付くことが多いので、ウォンだと中々しくっとこない。
まあ、そのうち慣れるだろう。
では早速賭けていこう。
掲示板を確認すると、現在赤が3連チャンしている。
俺は迷うことなく黒に10,000ウォンのチップを置いた。
1,400円くらいだ。
少なすぎたかな・・・
置いた後で思ってしまった。
ルーレットは、5〜7分に一回くらいのペースで投球されている。
しかし、これでは1時間勝ち続けたところで2万円にも届かない。
勝ち続けることなどないのでなおさらだ。
それではダメだ。
黒で勝ったら、次からは最低でも30,000ウォンずつ賭けていこう。
俺はベットを上げることにした。
しかしこれだけ人がいて、赤黒には俺しかチップを置いていない。
そういえば、観察していた間も誰も賭けてなかった。
1/2という確率が面白くないからかなのか。
まあいい。
楽しみ方は人それぞれだ。
しかしここから俺は、なぜこのカタい勝負に誰も賭けていないのか、そして確率の概念がどれほどギャンブルと乖離しているかを、少しずつ理解していくことになる。
それと同時に、抜け出せない魔のスパイラルへとゆっくりと引きずり込まれていく。
「韓国トラベル後編」へ続く。
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読者さまへ。
前回の記事では、たくさんのご投票、コメントを頂きありがとうございました。
実は今回の記事はすでに出来上がっていたのですが、描写的な問題により現在書き直しをしています。
今も色々と騒がれている韓国が舞台ということで、気づけば強い偏見と過激な表現が多くなってしまい、管理人によるカットが免れないと思ったからです。
個人的な僻見はこのサイトのコンセプトにも不適切ですし、それを主張するのも場違いだと思いまして。
ということで時間的な考慮も踏まえ、今回は2話構成とさせていただきます。
楽しみにしていただいた方、大変申し訳ございません。
また明日お会いしましょう。
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