[3]ライターズ・ファンク [ 2017/4/18 ] |
■求められる記事とは
例えばあなたが利用しているSNS上で、
「GODでフリーズ引いて5000枚出た、やったぜ!」
と書けば、友達から「いいね!」と評価されるかもしれません。
しかし攻略記事として考えるならば、「勝った、やった!」で終われるわけではもちろん無く、どのような立ち回り、出玉推移でそこに至ったのか、その台を選んだ根拠といった情報も求められます。
正確性を保つため、メモ帳と交互ににらめっこ、自分の打たなかった台との比較データを検証、状況に応じた写真の撮影や編集、という地味で面白みのない作業が必要になります。
もしくは圧倒的なタレント性や文章力があり、読み物として面白いと評価されるような記事を仕上げる能力が求められます。
パチスロ記事を書きたいという人に、私が伝えるならば。
まずは自分の文章を磨くこと、特に他人が見るということを意識して欲しいということです。
繰り返しになりますが、読者が求めている情報は「有用性」と「エンタメ性」です。
これは文章記事だけではなく、動画コンテンツにも共通しています。
解析情報や小役判別打法等のホールでの収支に直結する情報が前者で、「新台のコイン持ちアップ打法」をあなたが発見し、わかりやすく伝えれば周囲から賞賛の声が送られるでしょう。
後者の場合は、実戦内容をドラマチックに書き上げたり、台の仕様を面白おかしくイジったりするもので、読者の共感や笑いをさそうことで「この人の記事をまた読みたい」と思わせることが大切です。
ただ、自分が面白いと思うことと、他人が面白いと思うことが違うことは往々にしてあります。
経験豊富なライターでも、記事が全ボツになったという話はザラです。
パチスロは、メダルを入れて回せばすぐに結果が返って来る上に、当選までレバーオンし続ければ済む話かもしれません。
しかし読者の反応はそうもいきません。
厳しい反応が返ってくる、あるいはそもそも読まれないということだってあります。
一番大事なのは、そうした試行錯誤を楽しめる、負けずに伝え続けることができる心なのかもしれません。
当然ですが、私なんかよりも魅力的な記事を書く人はたくさんいます。
私も文章コンテンツが好きな人間なので、読者投稿コーナーを含め、立ち回り講座の記事はいつも楽しみにしています。
■続・男爵がみた来店企画
私のスマホに着信があった、友人のメグミさんだ。
どうやら来店している美人ライターのファンらしく、これからホールに向かうとのことだった。
「握手して欲しいんだけど、ライターさんやっぱり忙しそう?」
大丈夫、彼女は今クッソ暇そうにスマホいじってるから。
心なしかその瞳も濁ってきている気がする。
男爵と同じ死んだ魚のような眼だ。
しかし彼女もプロだ、メグミさんが来て交流すればにこやかな笑顔も見せてくれるだろう。
そして、どさくさにまぎれて私も握手してもらおう。
むっ、まずい、マネージャーと話しながら下皿のメダルを箱に移しはじめた。
来店終了か、だめだ、私のどさくさ握手計画が。
メグミー! はやくきてくれーっ!!
サイヤ人に追い詰められたクリリンのような願いを心の中で叫ぶ。
その甲斐あってか、すぐにメグミさんが到着。
神龍さながらの迅速さで願いがかなった。
無事握手をかわし、キャッキャウフフする二人。
おお、さすがのファンサービスだ、サインまでもらって嬉しそう。
美人ライターも今日一番イキイキしている。
隣でモジモジしていた気色悪いシャイボーイの私にも、率先して握手してくれた。
とても良い人ではないか、誰だ台パンしそうとか言ったヤツは。
こうして私の来店イベント体験は終わった。
美人ライターとの素晴らしい思い出を、ホール情報と共にインプットしておこう。
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○月○日
駅前ホール【デトロイト(仮名)】ライター来店日
美人ライターさんは本当に美人だったしなんかイイにおいがした、なお出玉はクソの極み
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■お二人への感謝
最後に改めて、花火氏と三七氏は本業を抱えながらのライター活動、本当に大変だったと思います。
ペンネームといえど長年ライター活動をしていると、それはいつしか友人や本業関係者にも伝わります。
「○○の台はつまらない、メーカーや販売会社は何考えてんだ」
そんな風に言いたくても言えない状況も多かったことでしょう。
多方面に気を使いながら記事を更新すれば、一部の読者からは、
「オマエは何もわかってない」
「さっさと勝てる情報をよこせ」
「とにかく業界関係者は悪だ」
と罵られてしまう。
自らが望んで文筆活動をしているので、多くのライターは記事の批判や指摘も覚悟の上です。
ただ、寄せられる批判の中には自身の責任ではない部分や、全く無関係の内容、単なる誹謗中傷に類するものも少なくありません。(ちなみに動画演者の人はよくある話と笑います)
そんな状況で彼らを動かすものは何でしょうか。
もちろん原稿報酬も大切ですが、それ以上に記事を喜んでくれる人がいるから、パチスロが好きだから、業界が少しでも良くなればという思いを動力源として活動している人がほとんどです。
もっとはっきり言えば、ライターとしての原稿料なんてたかが知れています。
単なる収入として見るなら、それこそ自分の知識を活用して打ちに行ったほうが良いんじゃないかと。
実際ライター活動をしている理由の一番に「収入」を挙げる人にはお会いしたことがありません。
ここまで書いておいて何ですが、私自身はお二人にお会いしたこともなければ連絡先も知りません。
ただ、ここに集まるパチスロ好きの多くを楽しませてくれた二人にイチ読者として感謝したい。
それがパチスロ好きで紳士な私の想いである。
長期にわたってパチスロ立ち回り講座を支えた花火氏、春川亭三七氏に敬意を込めて。
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